次亜塩素酸水を知るための次亜塩素酸ナトリウムの性質の確認

次亜塩素酸

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最終更新:2020年7月23日

次亜塩素酸水がどんなものなのかを知るために、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)について確認しておきます。

参考資料としたのは、

平成19年度厚生労働省受託「水道用薬品等基準に関する調査」

水道用次亜塩素酸ナトリウムの取り扱い等の手引き(Q&A)

平成20年3月 社団法人 日本水道協会

安全な「次亜塩素酸ソーダ」の取り扱い

日本ソーダ工業会

次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)について 製品Q&A 高杉薬品株式会社

6.いまさら、でも大切な「次亜塩素酸ナトリウム」について

検査の樹一復習から明日の芽を  菅原和行(菅原バイオテク教育研究所)

微酸性電解水導入前に 一般社団法人 日本微酸性電解水協会

以上の資料をもとに書いています。

さて、最近、次亜塩素酸水に絡んで、YouTubeでいろいろな動画がUPされていますが、

かなり間違った発言があることに気が付きました。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違いが分かっていない人もいまだに見受けられます。

残念ながら、次亜塩素酸ナトリウムを薄めて、マスクに使うように売られている商品も有るようです。→ これは危ないです!!

次亜塩素酸ナトリウムをスプレーで噴射するのは、とても危険です。

スプレー式の入れもので作業するときは、マスクをつけて、換気を十分行ったうえで作業をしてください。

2020年7月7日

NITEで、やっと次亜塩素酸水がコロナに有効であることを認めました。

・次亜塩素酸水の有効性は NITE でひっそりと資料を入れ替えていました。

お気を付けください。

そこで、まずは、ここでは身近な殺菌漂白剤である「次亜塩素酸ナトリウム」の性質について

書いていきます。

目 次

1.一般的な特徴

2.次亜塩素酸ナトリウムのメリット

3.危険性

4.容器

5.物理的性質と化学的性質

6.まとめ

参考:私が使っている次亜塩素酸水と塩素値とph値の測定

1.一般的な特徴

・強アルカリ性である(一般にpH12以上の透明な液体)

・常温でも不安映な化合物で徐々に自然分解される

・日光、特に紫外線によりぶんかいが促進される

・温度上昇とともに分解率は増加する。

・pHが低下すると分解が促進される

・液中に、コバルト、ニッケル、銅、鉄等の重金属及び塩類が有ると著しく分解促進される

次亜塩素酸ナトリウム自体は、常温でも自然分解され、紫外線に特に弱く、温度上昇とともに分解する。

これを防ぐために、一般に売られているハイターやブリーチなどの安価な漂白剤には、次亜塩素酸ナトリウムにアルカリ性安定化剤(水酸化ナトリウム等)が含まれているため、常温でその辺においてもそれほど漂白効果や殺菌効果は落ちづらいのです。

あくまでも、落ちづらいのであって、少しずつ落ちています。

しかし、アルカリ性安定化剤が含まれていない、ブリーチやメディカルハイターなどは、

冷暗所に保管しないと急激に効能効果は低減します。

余談ですが、次亜塩素酸ナトリウム原液はpH12以上で保管します。

この時、下図を見て頂くと分かりますが、pH12で強アルカリ性なのですが、殺菌力は弱い。

つまり、pH12の原液を使っても殺菌効果は小さいことが分ります。

出典:一般社団法人日本微酸性電解水協会

2.次亜塩素酸ナトリウムのメリット

 2.1. 殺菌効果が大きい

 2.2. 取り扱いが簡単で安定度が高く安全である。

 2.3. 殺菌効果の残留性が期待でき、残留塩素の測定が容易

 2.4. 液体のため注入量の調整が容易で、自動制御による精度の高い管理が可能

 2.5. 貯蔵設備(薬液タンク)の設備が簡単

以上上げたように、次亜塩素酸ナトリウムはとても、取り扱いが簡単ですが、殺菌効果が大きいなど、使い方を間違わなければすばらしい化学薬品です。

ただし、人体への使用は出来ないことを明記しておきます。

3.危険性

次亜塩素酸ナトリウムは、酸と接触すると分解して、有毒な「塩素ガス」を放出する。

そのため、絶対に酸類と混ぜてはいけない!

4.容器

次亜塩素酸ナトリウムは強い酸化作用が有りますので、耐食性の容器で保管しなくてはなりません。

強い酸化作用のため、金属類、繊維類のほとんどのものが腐食される。

・チタン

・ガラス

・陶磁器

・硬質塩化ビニール

・ポリ塩化ビニリデン

・ポリエチレン

・フッ素樹脂

・軟化塩化ビニール

など、耐食性の優れた材料の容器を使うこと

5.物理的性質と化学的性質

 5.1.次亜塩素酸ナトリウムの物理的性質

物理的性質

  ・外観:淡緑黄色で透明な液体

  ・空気、熱、光などに対してきわめて不安定で、放置すると徐々に有効塩素を失う

  ・臭気:塩素に似た特有の強い臭いが有る

  ・比重:約1.20

 5.2.次亜塩素酸ナトリウムの化学的性質

化学的性質

 ・自然分解

次亜塩素酸ナトリウムは常温でも不安定な化合物で、その水溶液も保存中に自然分解し酸素を放出する。

NaOCl → NaCl + (O) (4)

この酸素は強力な酸化作用を示す。

また、この際、副反応として塩素酸ナトリウムを生成する。

2NaOCl → NaCl + NaO2Cl (5)

NaO2Cl + NaOCl → NaCl + NaO3Cl (6)

(5) (6) の反応は40℃で急激に進む。

また、pHが低いほど速くなり、反応を抑制するにはpH11以上が必要。

 ・光化学分解

日光、特に紫外線により分解促進されます。

日光に約20時間さらされた場合、90%の有効塩素が分解する。

 ・加熱分解

温度上昇とともに分解率が増加。

 ・酸による分解

次亜塩素酸ナトリウムはpHの低下とともに分解が促進される。

pH5以下で塩素ガスが発生し始め、pH3以下で急激に分解し始める。酸の混入には注意。

 ・重金属類による触媒的分解

次亜塩素酸ナトリウム液中に、 Fe, Co, Ni, Mn, Cu などの重金属及びその塩類が存在すると著しく分解が促進される。

6.まとめ

次亜塩素酸ナトリウムは、ごく一般的な化学薬品ですが、使い方によってはとても危ない化学薬品です。

消毒については、いろいろの細菌やウィルスに対して実証実験が行われて、塩素が有効であることが示されているため、

それぞれに合った使い方で有効利用して頂きたい。

私が使っているのは、

・セラ水 20L(50ppm) 手用として使っています。

4月1日に注文して、7月20日現在、冷暗所に保存して使っているので、

まだ、50ppmの塩素濃度を保っています。

・ジクロロイソシアヌル酸(粉末)ゴミ箱や台所の殺菌用(100~200ppmで使用)

・塩素濃度測定(10~200ppm)

次亜塩素酸水は、紫外線や熱に弱いので、出しっぱなしで使う場合、

2週間に1回程度、塩素の濃度を確認する必要があります。

使い方は簡単です。

50ppm濃度の次亜塩素酸水なら、着色していれば、塩素濃度があると判断できます。

10~200ppm用ですので、ケースに書かれている色と比較して判断します。

・ph試験紙(次亜塩素酸水測定用なので、ph5.0-9.0 程度でOK)

2色で微調整が出来ますので、便利です。100枚入りです。

補足:安価なph計を2台買って、比較検討してみたのですが、安定しませんでした。

水槽のph値を測るなら、ちょっとぐらいずれてもいいのかも知れませんが、

不安定で、なかなか同じような数値になりませんでした。

ですから、自宅で目安として使うなら、測定器より、試験紙の方が分かりやすい

と思いますので、おススメです。

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